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ピクシーカットとは?特徴と歴史|時代を超えて愛されるショートヘア

  • 執筆者の写真: Atelier JD PARIS
    Atelier JD PARIS
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分
ピクシーカットの歴史。時代を超えて愛されるショートヘア

「ピクシーカット」と聞いて、どんな髪型を思い浮かべますか?


ピクシーカットとは、耳まわりや襟足を短くし、顔まわりをすっきりと見せたショートヘアのひとつです。

けれど、ピクシーカットの魅力は、単に「短い」ということだけではありません。


その歴史を辿っていくと、そこにはいつの時代も、それまでの「女性らしさ」から少し自由になろうとする女性たちの姿がありました。

そして面白いことに、同じピクシーカットでも、纏う人によってその印象はまったく違います。

エレガントにもなる。知的にもなる。モードにもなる。繊細にも、華やかにもなる。

今回は、そんなピクシーカットの歴史を、時代を象徴する女性たちとともに辿ってみます。


そもそも、ピクシーカットとは?


ピクシーカットとは、一般的に耳まわりや襟足を短くし、トップには少し長さを残したショートヘアを指します。

「PIXIE」は、英語で妖精や小さな精霊を意味する言葉。 短く軽やかなシルエットや、どこか中性的でいたずらっぽい雰囲気から、この名前で呼ばれるようになりました。


ただし、「ここからここまでがピクシー」という厳密な形がひとつあるわけではありません。 前髪を長く残すこともあれば、額を大胆に出すこともある。 トップに丸みを残すこともあれば、頭の形に沿わせてタイトにつくることもあります。 だからこそ、ピクシーカットは面白い。 短い髪の中に、その人の個性がとても強く現れるヘアスタイルなのです。


ピクシー以前にも、髪を短くした女性たちはいた

1920年代のクロップドヘア|ピクシーカット以前の短い女性の髪型

女性が髪を短くした歴史は、1950年代から始まったわけではありません。 1920年代には、女性たちが長い髪を切り、ボブやクロップドヘアを楽しむようになります。


ジャズ・エイジを象徴するジョセフィン・ベーカーも、頭に沿わせた非常に短いヘアスタイルで知られた一人。 長い髪こそ女性らしさの象徴だった時代に、髪を切ること自体が新しい女性像を表現する行為でもありました。


そして1950年代。 現在私たちが「ピクシーカット」と呼ぶスタイルを、一気に世界へ印象づける女性が現れます。


1953|Audrey Hepburn

1950年代のオードリー・ヘプバーンを思わせる、短い前髪と耳まわりをすっきり見せたエレガントなピクシーカットの女性

髪を切ることが、「自由」の象徴になった オードリー・ヘプバーン。


映画『ローマの休日』で彼女が演じたアン王女は、街の美容室に入り、長かった髪を思い切って短くします。 この場面が今見ても印象的なのは、単なるヘアチェンジのシーンではないからでしょう。 王女として決められた予定をこなし、決められた服を着て、決められた人生を生きていた女性が、ひとりでローマの街へ出る。 そして、自分の意思で髪を切る。


長い髪から現れたのは、華やかに飾られた王女ではなく、オードリー自身のような、小さな顔と大きな瞳、すっと伸びた首でした。 短い髪によって、彼女の個性そのものが際立ったのです。


当時の映画女優には、長くウェーブした髪や華やかなセットが多かった時代。 そんな中でオードリーのショートヘアは、 「女性らしく見せるために、長い髪である必要はない」 という、新しい美しさを見せました。


そしてここから、ピクシーカットは単なる短い髪ではなく、自由や自立を感じさせるスタイルとして語られるようになります。


1957–1960|Jean Seberg

1960年代のジャン・セバーグを思わせる、短くタイトなピクシーカットとボーダーシャツの女性。知的で中性的なショートヘアスタイル

ピクシーは、もっと知的で、もっと中性的になる オードリーのピクシーがエレガントだったとすれば、ジャン・セバーグのショートは、もう少し尖っています。


1957年の映画『聖女ジャンヌ・ダーク』で非常に短い髪になった彼女。

そして1960年、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』で見せたショートヘアは、映画史とファッション史に残るスタイルとなりました。 頭の形が見えるほど短い髪。 飾り気のないTシャツ。 パンツスタイル。 パリの街。 そこにあるのは、従来の「美しく装った女性」とは違う魅力です。


知的で、自由で、少し中性的。 媚びていないのに、美しい。 ジャン・セバーグによってピクシーカットは、 フレンチ、知性、アンドロジナス という新しい印象を纏っていきます。


1960年代|Twiggy

1960年代のTwiggyを思わせる、アイメイクと短いピクシーカットが印象的なモードなショートヘアの女性

ショートヘアが「モード」になった 1960年代に入ると、ピクシーカットは映画の中だけのものではなく、ファッションそのものになっていきます。


その象徴がTwiggyです。 大きく描かれたアイメイク。 華奢な身体。 ミニスカート。 そして短い髪。 それまでの成熟したグラマラスな女性像とはまったく違う、新しい時代の美しさでした。 60年代のロンドンでは、若い世代がファッションや音楽、価値観を大きく変えていきます。 Twiggyの短い髪も、その空気の中にありました。


ここでピクシーカットは、 自由な髪型から、最先端のファッションへ。 「短いからボーイッシュ」ではなく、 「短いからこそ、服もメイクも顔立ちも際立つ」。 そんなモードなヘアスタイルへと変わっていきます。


1965–1968|Mia Farrow

1960年代のミア・ファローを思わせる、短いピクシーカットと繊細な表情が印象的な女性のショートヘア

繊細さを引き出した、もうひとつのピクシー そして、ピクシーカットの歴史を語るうえで欠かせないのがミア・ファローです。


彼女の有名なピクシーカットには、少し面白いエピソードがあります。 「ヴィダル・サスーンがミア・ファローの髪を短くした」 という話が広く知られていますが、実は彼女はその前から、自分自身で髪をかなり短く切っていました。 1966年には、すでにその短い髪でVOGUEにも登場しています。


その後、映画『ローズマリーの赤ちゃん』で、ヴィダル・サスーンによってさらに研ぎ澄まされた短いスタイルが大きな話題となりました。


ミア・ファローのピクシーは、ジャン・セバーグともまた違います。 とても短いのに、強すぎない。 細い首、大きな瞳、小さな顔。 短い髪が、彼女の持つ繊細さや儚さをむしろ際立たせています。 ピクシーカットは、強い女性だけの髪型ではない。 そんなことを教えてくれるスタイルでもあります。


1980–90年代|ピクシーは、もっと強く、もっと華やかに


その後もピクシーカットは消えることなく、時代ごとに新しい女性像を映していきます。

1980年代のリンダ・エヴァンジェリスタを思わせる、短いピクシーカットとシャープな表情が印象的なモードなショートヘアの女性

Linda Evangelista|クールで力強く


1980年代末には、スーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタがロングヘアを大胆にカット。

彼女のショートヘアはハイファッションの世界で強烈な存在感を放ち、彼女自身のキャリアを象徴するスタイルのひとつとなりました。


Halle Berry|短くても、グラマラス


そして1990年代には、ハル・ベリー。 彼女のピクシーカットは、それまでの「少年のような」「妖精のような」というイメージだけではありません。 短いのに、グラマラス。 短いのに、セクシー。 ピクシーカットが持つ女性像は、さらに広がっていきました。


同じピクシーカットなのに、なぜこんなに違うの?


ここまで見てくると、とても面白いことに気づきます。 オードリー・ヘプバーンは、エレガント。 ジャン・セバーグは、知的でアンドロジナス。 Twiggyは、モード。 ミア・ファローは、繊細。 リンダ・エヴァンジェリスタは、クールで力強い。 ハル・ベリーは、グラマラス。


全員、非常に短い髪です。 でも、受ける印象はまったく違います。 なぜでしょう。


「ピクシーカット」という名前だけでは、印象は決まらない。

現代的なピクシーカットの女性。柔らかな丸みと自然な毛流れを活かしたショートヘア

実は、短い髪ほど小さなディテールが大きく見えます。 前髪を短くするのか、長く残すのか。 額を見せるのか、隠すのか。 トップに丸みをつくるのか、タイトにするのか。 耳をしっかり出すのか、少し髪を残すのか。 襟足を潔く短くするのか、柔らかなニュアンスを残すのか。 そして、髪の質感を整えるのか、少し動かすのか。


ほんの数センチ、ほんの少しの丸みや毛束の違いで、 シャープにも、柔らかくも、女性らしくも、中性的にも見せることができます。


だから、「ピクシーカットが似合う・似合わない」と考える前に、 どんなピクシーなら、その人らしく見えるのか。 と考えてみる。

そのほうが、ヘアスタイルの可能性はずっと広がります。


時代を超えて残る髪型には、理由がある


1950年代のオードリー・ヘプバーンから、ジャン・セバーグ、Twiggy、ミア・ファロー、そしてその後の女性たちへ。



ピクシーカットは何度も時代の中に現れ、そのたびに少し違う女性像を見せてきました。


けれど、共通していることがひとつあります。


それは、


髪でその人を飾るというより、その人自身を見せるヘアスタイルであること。


顔が見える。

首が見える。

表情が見える。


そして、その人自身の個性が見えてくる。


だから、70年以上経った今も、ピクシーカットは古くならないのかもしれません。


誰かと同じ髪型になるためではなく、


「自分は、どう見えたいのか。」


その答えによって、同じピクシーカットでもデザインは変わります。


髪型の名前を選ぶのではなく、 その人に似合う印象をデザインする。


時代を超えて愛されるピクシーカットの歴史を見ていると、そんなヘアデザインの面白さが見えてきます。


FORCE HAIR EDIT Atelier JD PARIS Produced by JD FORCE

 
 
 

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